2011.11.14
本社

最近本を読みました。

高校時代の後輩Y君から有る時「私は時々、二宮金次郎の本を読んで参考にしています、可児さんも読んでみては…」と言って一冊の単行本『全一冊 小説 二宮金次郎』童門冬二 集英社を貸してくれました。
私の中での“二宮金次郎”は、最近では少なくなった小学校の校庭の片隅の、家族の為に寸暇を惜しんで働きながら、タキギを背負って本を読む孝行息子の石像でした。
本の厚さは2.5cm 680ページ有り、私には読みきれないと一度は断りましたが、彼は「返すのはいつでもよろしいですよ」と言うので、少し困りながら借りる事としました。
中々読むことが出来ず一年近くが過ぎ早く返さなければ(早く読まなければ)といつも思っておりましたが、そんな時期、新幹線での長旅に参加する事となり、この本を読むきっかけで新幹線の中からようやく読み始める事が出来ました。読むにつれ、本の中に引込まれていきました。
少年期に父母を失い、苦労をしながらあらゆる本読みその知識から、災害で没落した家を努力で再興し、この体験をもとに天地人三才(下記)の徳に報いる事を説く報徳思想・報徳仕法を形成し武家の再興、各地の町・村の復興等数々の偉業を成した。

二宮金次郎(二宮尊徳)の概略
  相模国足柄上郡柏山(かやま)村生まれ
  天明七年(1787年)~安政三年(1856年)69歳で物故

「天地人三才」の徳に報いる
   「三才」とは天・地・人
   「万有に徳がある」と言う教え。

   犬にも猫にも田にも畑にも徳がある。
   私たちは、この世の中に
   自分だけの力で生まれたのではなく
   自分だけの力で育ったのでもなく
   自分だけの力で生きているものでも有りません。

   宇宙空間全てのもの、
   全ての人のおかげ様で、生まれ、育ち、生きています。

   この万有の「徳」を感じることが出来るか、
   感じようとするか、 個々の心の想い次第です。

二宮尊徳の言葉
  生まれて学ばざれば生まれざると同じ(どんなに勉強しても)
  学んで知らざれば学ばざると同じ(どんなによく知っていても)
     知って行わざれば知らざると同じ(実践しなければ意味がない)

そのほか 自立自動 積小為大 他愛推譲 共同一致 等々
私も、いろいろの場面でこの報徳思想を振返り実践して行きたいと想います。

後輩のY君、読むのに一週間程かかりましたが読ませてくれてありがとう、
ようやく本のお返しができそうです。感謝です。

可児 武司