2008.09.24
岐阜支店

吉島家

先日休みをもらい、岐阜県建築士会の木造塾有志メンバーで高山市の吉島家住宅の見学と研修会に行って来ました。この住宅は明治41年に建築されたもので昔は作り酒屋だったため軒下には大きな酒ばやしが吊ってあります、圧巻は木戸をくぐると大きな大黒柱と梁と束で構成された垂直方向を際立てた吹き抜けです、そこには天窓から時間ごとに変化する柔らかな光線が入りなんともいえない落ち着いた空間ヲ演出しています、黒光りしている太い柱、梁はそれぞれここで暮らした人の手により丁寧に使われていることでまさに長年にわたる経年美の賜物です、2階はひな壇のようなスキップフロアーとなっており部屋からは吹き抜けを見ることが出来るようになっています。
また2階の天井は構造材そのものを表している勾配天井と屋根勾配なりに天井を張って仕上げにしてあり階高を抑えた微妙な寸法が落ち着きを出しています、
また中庭、裏庭が作られており、茶室、次の間、仏間、本座敷から眺められるように配置されている、此れも非常に落ち着いた間取りとデティールになっている、ただ感心をするばかりである、2階の蔵をオフィスに使っているところでジャズを聴きながら高山の家つくりや地域つくりそして世界遺産への提言までの話が弾んだ、この住宅は江戸時代の住宅に関する規制、〈軒高を制限、道路に面して庭を作らない、禁断の五木(5つの樹種))があった事が明治になり緩和されたことでこのような住宅が出来たと思う、いずれにしても住宅の原点を見たと同時に私どもの家つくりに自信をもらった1日でした。
BYNAOKI 「 ひとり言 」